釜山旅行記
★9月
8日 (日) 四日目
最終日の朝。あとは日本に帰るだけだ。
ここで中澤の心配事は一つ。
昨日の夜は遅かった。みんな疲れきっていたに違いない。
あの二人…、もしかして、今日も風呂に入っていないのでは………?
昨夜は木村さんも風呂に入らないで寝ようとしていたので、叩き起こしてシャワーを浴びさせた。
釜山の空港は成田ほど混まないから、すぐに乗れるというミン君のアドバイスがあったので、
12時30分出発の便だったが、ゆっくりと朝9時に起きて、10時に1階で待ち合わせ。
中澤「沼田さん、お風呂入りました?」
沼田さん「入ったよ。」
中澤(ホッ……。)
あとは斉藤さんだな。
中澤「斉藤さん、お風呂入りました?」
斉藤さん「今日はさすがに入ったよ。」
良かった…。このまま斉藤さんは釜山で一度も風呂に入らないまま終るのかと思っちゃった。
しかし、なんで私がお風呂のことを、いちいち聞いてまわってんだ?
「8時だよ、全員集合!」か? 私は、ドリフターズか?加藤茶か?
・ヌマタイガー一口メモ
2泊させてもらったクーさんの宿、朝部屋を出て1階の入り口でみんなを待っていると、
日本で言うおばちゃん風な、親近感のあるいつもにこやかお母さんが登場。そういえば
二日目の朝にもいろいろお世話してくれた。ジュースをくれたり、灰皿の場所を教えて
くれたり。まるでクーさん家と昔からの知り合いだったみたいな感覚になった。
少し遅れて10時半頃にホテルを出発した。
ここで心配事がもう一つ。ミン君ははたして空港に来てくれるだろうか。
実は2日目のライブの後に、みんなで宿に行く前にミン君の家におじゃました。
その時に、岩崎さんはギターを置かせてもらっているのだ。
2日目のミン君宅にて、日本組み全員ショット
そのギターをミン君が空港に見送るついでに、持ってきてくれることになっている。
空港へ向かうタクシーの中での会話。
沼田さん「ミン君、空港に来れるかな〜?」
木村さん「まだ寝てるかもしれないな。」
沼田さん「昨日遅かったからな〜。」
中澤「うーん、ミン君だからね。でもひょっとしたら空港にもう来てるかもしれないよ。」
ミン君が空港に来れないことを前提として、もしかしたら来てくれるかもしれないという、この会話はどこか
間違っているということに誰も気付いていない。
11時に空港に着いた。やばい、かなり遅れてしまった。予定では10時くらいに着くはずだった。
でも大丈夫。ミン君、まだ来てないから。
飛行機の時間は12時。いくらなんでもそろそろチェックインしないとさ。
ギターは後で送ってもらうことになるかな。なんて軽〜く考えてたところへミン君登場。
左:ドラムを叩くミン君、右:劇愛キャストを指導するミン君
(2目のリハーサル時に撮影したものです)
さて出国。と思ったら、劇愛会長のチェさんが、今向かってるから待つとのこと。
う〜ん、だんだんスリリングになってきたぞ。
しかし、昨夜は最後まで一緒にいてくれて、ホテルまで送ってくれたチェさんが駆けつけてくれるのだ。
待たないわけには行くまい。しかし、時間は過ぎていく…。
ここで中澤は友達のお土産に、1番簡単なシャネルだのディオールだのを買うのを諦めた。
まあ、荷物は預けてあるから、置いていかれることはあるまい。
11時35分。チェさん到着!
ここでみんなと固い握手をかわして、1分ほどでお別れ。
しかし、やっぱりチェさんは礼儀正しいね。握手をする時でさえも、右腕の肘に左手を添えている。
さすがだ。さすが会長だ。さすが韓国人だ。
この人に対する礼儀正しさ。誠実さ。私も見習おうと礼儀知らずな中澤は思った。
これで思い残すことなく、出発ゲートへ。
次の中澤の関心は、岩崎さんの持ったギターがすんなり通るだろうか?ということ。
先に自分の荷物を通してから、振り返るとちょうど岩崎さんが通るところだ。
この時中澤はギターのレントゲン映像を初めて見た。
あー!拡大されてる!職員の視線が集まってるよ!
緊迫してるぞ!すみずみまで、アップで確認されてるよ!
どうなる?どうなる?中身開けられちゃうかぁ〜?時間ないぞぅ〜?
と思ったら、そのまま通ってしまった。な〜んだ。
釜山の空港職員は優秀だった。中澤ちょっとがっかり。
さて出国手続き、と思ったら、なんか放送が流れてる。
あれ?これって……?
異国の地で、自分の名前が放送されたのは初めてだよ。しかも空港で。
だってもう、11時40分だもの。12時に飛行機出発だもの。
空港の人に急がされつつ、飛行機へ。
もう他の乗客はみんな大人しく座ってます。
TP待ちですよ。まるでVIPだよ。
他の乗客の視線に戸惑いながら、なんとか座席に座り、飛行機の窓から外を眺めた。
あたふたしていたから、全然考える暇がなかったが、
今この時になって、もう日本に帰るんだ。さよならなんだ。という実感がこみ上げて来た。
飛行機の窓から見える釜山の山々が、とても愛しく見えた。
山……?
先に飛び立った飛行機が、すぐさま山の手前で急上昇してるんですけど……。
これってさ、少しでも上昇が遅れたら、あそこに突っ込むわけ?
なーんてスリリング。さすがだ。さすが釜山だ。最後まで退屈させないよ。
本当に、本当に最後まで楽しかった!
飛行機が飛び立った瞬間、胸をしめつける程の大きな想いを感じた。
ありがとう釜山!また来るからね!!
ありがとう劇愛!また会おうね!!
Good Bye BUSAN!
Thank you BUSAN!
We love BUSAN!!