1.美瑛への道のり
【初日:北斗星3号にて上野を出発】
7/7七夕の夜。 上野駅19:03発寝台特急北斗星3号が入線してきた。まずホームの先端で機関車を撮影してから、2段式B寝台の5号車8番上段を探した。席を見つけた途端背中に電流が走った!不覚!鉄道マニアであるヌマタイガーだが、私鉄メインなのでJRをあまり知らなかったことが判明した。B寝台の上段って窓が無いのね・・・・。これから明日札幌到着の11:15まで16時間以上乗るってぇーのに、窓が無いのは辛い。
19:03定刻に北斗星3号は上野を出発した。寝るには早すぎるし、窓の無いここに16時間も居ては気が狂いそうだ。必然的に通路側にある簡易席でビールを飲みながらタバコを吸っていた。ここなら窓がある。
車掌さんが検札に来た。
ヌマタイガー「今日下段は満席ですか?」
車掌さん「あー、今日はいっぱいですねー。」
・・・うううう。窓がある下段に空席はいっぱいあるのに、どうやら途中から乗ってくるようだ。下段への席変更もできなかった。隣の2ボックスには30代前半くらいの乗客が8人くらいで通路側の簡易席ともどもワイワイ騒いでいる。楽しそうだ、昔北海道に行った時は自分もこんな感じだったなぁ。懐かしいような羨ましいような気持ちになった。声をかけて仲間に入れてもらおうかな・・・。
そう考えていると逆側のBOXから初老の男性が通路側に出てきた。胸の右ポッケにはタバコらしき大きさのものが入っているように見えた。
初老の男性「ここはタバコ吸っても良いのかな?」
ヌマタイガー「吸っても大丈夫ですよ。札幌まで行かれるんですか?」
こんな始まりで初老の男性との会話はお互いに弾んでいった。彼も隣のBOXの上段だった。この初老の男性はもともと釧路に住んでいて、現在は茨城県の水海道に在住。今日は釧路方面に帰るらしい。
初老の男性「下段は空いてるけど移れないのかな?」
ヌマタイガー「さっき車掌さんに聞いたら満席らしいです。宇都宮あたりで乗ってくるんだと思います。」
そんな会話の直後車掌さんが検札に来た。
初老の男性「下段に移りたいのですが。」
車掌さん「今日はいっぱいなんですよ。」
・・・やはりダメらしい。
列車が大宮を出た頃。時刻は19:30過ぎ。
初老の男性「この列車は新聞とビールは売っているのかな?」
ヌマタイガー「個室なら朝刊サービスがあるらしいです。ビールは自動販売機か食堂で売っていると思います。ビールなら沢山持ってますので飲まれますか?」
初老の男性「ん、いや・・・・。飲まないことにしてるんで・・・」
そして初老の男性はトイレ方面に向かって去っていった。戻ってくるとレモンジュースを2本持っていた。
初老の男性「これ1本あげるよ。ビールは売ってなかったよ。」
ヌマタイガー「うわぁー、ありがとうございます。食堂でビールは売ってなかったですか?」
初老の男性「いや、自動販売機のところまでしか行かなかった。」
その後、この2名は食堂車の視察に向かった。やはりビール売ってました。翌朝朝刊も売っているとのこと。ビール4本も買い込む初老の男性。・・・・この人飲まないことにしてたんじゃ・・・?。ま、まあいいか。
5号車に戻った初老の男性「ビール2本あげるよ。飲みな。実は自分も酒は毎日欠かしたことがないんだ。水海道を出たときから日本酒飲みながら上野まで来てたし。」
↑そんな笑顔がとっても優しい。”飲まないことにしてるんで・・・”という発言は、朝から飲みすぎたからという意味だったことを把握したヌマタイガーであった。北斗星は定時18:43に宇都宮を出た。通路の簡易席で乾杯をした2名。
そんな頃、隣のワイワイ騒いでいる連中のリーダーらしき人物からなんとケーキとビールの差し入れがっ!
キャプテン「これから札幌まで野球の遠征試合に行くんですよ。」
彼らはヌマタイガーが所属する野球チームのメンバーと同様の年代で、初老の男性もかつて高校球児だったので親近感がある上、野球話ですぐに会話は弾んだ。
列車は一路北海道を目指す。宇都宮を20:29、郡山を21:55に発車。この時間でも下段は空席が多い。車掌さんに話してみるとキャンセルがあったらしく、初老の男性は下段確保できた。大分飲んだしそろそろ腹へったなぁ。もう23:00過ぎたし、自分の席に戻って上野駅で買った”上野弁当”という駅弁を食べてから寝よう。開けてみると中身は大好きなのり弁だった。
仙台を23:31に出発。この後明朝5時台に青函トンネルを抜けて函館着は6:34だ。まだまだ旅は長い。
【2日目:北斗星青森から北海道へ】
2段ベッドの上段で目が覚めたら、まだ4時台だった。カーテンを開けてみると明るかった。梯子を降りて通路に出てみると初老の男性が既に簡易席に座っていた。
ヌマタイガー「おはようございます。」
初老の男性「もう、青森は過ぎたよ。もうすぐ青函トンネルだ。結局隣の下段も誰も乗ってこなかったなぁ。そこの下段も空いているよ。」
こうして、ヌマタイガーは窓のある下段に移った。初老の男性と同じBOXに座って車窓を眺めた。さすがに遅くまでラウンジカーで騒いでいた野球遠征チームのみんなはまだ熟睡しているようだった。陸奥湾が車窓に広がる。何回かトンネルに入った後、長い下り坂のトンネルに入った。
初老の男性「青函トンネルだ。」
数十分後・・・・
初老の男性「真っ暗でつまんないよな。」
さて、6:34列車は函館に到着、7分の停車。初老の男性は駅弁を買いに、ヌマタイガーは機関車の写真を撮りにホームへ出た。ここまで引っ張ってきた赤い電気機関車が重連の青いディーゼル機関車にバトンタッチする駅なのだ。
それぞれ望みのものをGETして再び車内に。列車は、向きを変え札幌を目指す。
【青函トンネル弁当】
その後、昨日初老の男性が新聞を買いたがっていたので、食堂車に誘った。初老の男性は北海道新聞を購入。函館で駅弁を買っていなかったヌマタイガーは食堂車で駅弁を購入した。選んだのは青函トンネル弁当であった。
しばらく初老の男性とBOX席で景色を楽しみながら時間は経過した。
初老の男性「そろそろ駅弁食おう。」
初老の男性の買った弁当も美味しそうだったが、青函トンネル弁当も凝っている上に美味しすぎ!トンネルの形の枠の真ん中は2色のそぼろ飯にグリンピースとレンコンと蟹。右上はイカメシとサケ。ここをほじくると北海道のじゃがいもが出てきた。
左下はホタテ、左上のフルーツコーナーをほじくると貝やイカもザクザク出てくる!この駅弁はすげー。すげー美味しいーー!!
【札幌に到着】
11:15北斗星3号は札幌に到着した。仲良くなった初老の男性、野球遠征チームの方々、お互いの旅路の無事を祈りながらお別れをした。
札幌でヌマタイガーが向かう先はどこだ?私をよく知っている人には言うまでも無いことだが、私は私鉄キチガイである。厳密に言うと鉄道は全て大好きであるが、JR以外の鉄道は更に好きなのである。
札幌には札幌市交通局の市電と地下鉄があるのだ。早速市電に乗ったヌマタイガーであった。キップは平日以外300円乗り放題のどサンこパス。よくこんなネームングを思いついたものだ。
市電の後は札幌地下鉄の全線を取材。地上部分は積雪対策としてシェルターの中を走るゴムタイヤ式の珍しい地下鉄だ。キップは平日以外500円乗り放題のドニチカ。よくこんなネームングを思いついたものだ。
鉄道取材となるとスイッチが入ってしまい、飯を食べなくても良い性格になることが改めて自己分析できたヌマタイガーであった。朝の駅弁は美味しかったし、夕方美瑛の民宿での夕飯の2食で十分だろう。
札幌から旭川、旭川からローカル線のJR富良野線で美瑛に向かう。夕暮れは近い。気温は抜群に快適だ!
車内は夕方なので車内は高校生が多い。
高校生A「今日25度もあるから半そでにしたんだけどー。」
高校生B「もー暑い暑い。」
・・・・そうか、この気温では北海道の人は暑いんだ。そういえば真冬に沖縄の西表島に行った時はシャツ1枚で居られるのに地元の人は寒い寒いって言ってたのを思い出した。
ガラガラとエンジン音を響かせながらディーゼルカーは美瑛へ向かう。