関西1(滋賀・京都・奈良・和歌山)
◆近江鉄道◆
ガチャコン電車として親しまれる米原-貴生川・近江八幡の本線系と高宮-多賀大社前の多賀線、計59.5kmの鉄道。 もともとは貨車輸送が活発だったが、1988年に貨物輸送は廃止、旅客輸送中心になった。
【路線図】
琵琶湖の東南側に路線を持ち、沿線には多賀大社、松並木、太郎坊宮、近江八幡城下町など、歴史的なスポットが多い。
【車輌】
西武系の車輌が目立つ。赤+クリーム塗装の他に派手な黄色、ペイント車もある。
▲モハ10形と200形。
▲モハ500形と1200形。
▲主力車輌だった500形。
▲2扉車のモハ1形。
▲1形ペイント車。
◆京福電気鉄道(京都)◆
嵐山本線系、叡山本線系、福井県の越前本線系とに分かれる。2005年現在の京福電気鉄道は嵐山本線系のみ。
【路線図】
--叡山本線系--
京都市街地北部の出町柳と八瀬遊園・鞍馬を結ぶ14.4kmの路線。1986年に叡山電鉄へ譲渡された。八瀬遊園への叡山本線は比叡山、鞍馬への鞍馬線は鞍馬山へのアクセス路線。2002年に叡山本線終点の八瀬遊園 駅は八瀬比叡山口駅に改称された。
--嵐山本線系--
四条大宮-嵐山を結ぶ本線、帷子ノ辻(かたびらのつじ)-北野白梅町(きたのはくばいちょう)を結ぶ北野線からなる路線。京都市街地西部に路線を持ち、北野白梅町駅付近には金閣寺、嵐山本線の太秦(うずまさ)駅付近には東映太秦映画村がある。京都めぐりには持って来いの路線だ。
【叡山本線系列車輌】
当時は深緑+クリーム塗装だった。 現在は三条から出町柳まで京阪鴨東(おうとう)線が開通したため乗客数が増加し、車輌もカラフルな新型車が往復している。
▲当時新型車の叡山線デオ600形とトロリーポール集電時代のデナ21形。1978年にトロリーポール集電は廃止となった。
▲叡山線デナ500形。
【嵐山本線系列車輌】
塗装は叡山本線とほぼ同じだが、車体下部に黄色のラインが入っている。
▲嵐山線モボ101形とモボ111形。
◆京都市交通局◆
1978年に全廃となった京都市電の跡を継ぐように工事が進められた京都市営地下鉄。
【路線図】
1981年京都-北大路間が開通後、徐々に路線を延ばし、現在烏丸線は近鉄京都線に乗り入れ、ホームドア方式の東西線も開通した。
【車輌】
烏丸線はアルミに緑帯の車輌で運用されている。
▲京都-北大路間が先行開通した当時の10系。
◆加悦鉄道◆
京都府の日本海寄りに位置する丹後山田と加悦(かや)を結ぶ鉄道。1985年に廃止された。
【路線図】
当時終点の加悦駅にはSL広場があり、SLや旧型車が保存されていた。加悦鉄道が廃止されてからも、移設された加悦SL広場ではかつての車輌が動態保存されている。
【車輌】
クリームに赤の気動車が走っていた。保存車輌にはバケットカーや客車もある。
▲営業運転時代のキハ1018とキハ083、キハ101。
▲キハ51。現在はキハユニ51に改修されている。
▲加悦駅構内に保存されているハ10客車。
▲DC351機関車とDD352機関車。
▲キハ1018とDB201機関車。右墓や駅構内に留置されている旧型車。
◆宮福鉄道◆
1988年に工事凍結されていた福知山-宮津を結ぶ宮福線を第三セクター鉄道として開業した。1989年に北近畿タンゴ鉄道に改称し、1990年に国鉄の西舞鶴-豊岡を結ぶ宮津線を統合した。
【路線図】
路線のほとんどは京都府内北部にあるが、豊岡は兵庫県に属する。
【特急用車輌】
タンゴディスカバリー(気動車):京都-西舞鶴-久美浜、天橋立-久美浜・豊岡
タンゴエクスプローラー(気動車):新大阪-福知山-宮津・久美浜
はしだて(電車):京都-福知山-天橋立
文殊(電車):新大阪-福知山-天橋立
JRから乗り入れる特急車輌が多い。非電化区間を経由する車輌は気動車が使われている。
【緩行用車輌】
▲TKR700形西舞鶴行き。
▲ブルーの目立つ塗装の車輌だ。
◆紀州鉄道◆
和歌山県の紀伊半島南西部、御坊(ごぼう)-日高川を結ぶ全長3.4kmの当時は日本一短い鉄道だった。しかし1989年には西御坊以遠が廃止され、御坊-西御坊を結ぶ2.7kmの更に短い鉄道になった。もともとは御坊臨港鉄道という貨物輸送と旅客輸送の私鉄で、1973年に紀州鉄道に改称、1984年に貨物営業が廃止となった。
【路線図】
途中駅には”学門”という駅がある。
【車輌】
クリーム色と緑色の車体。2001年からは北条鉄道からのレールバス”キテツ1”が運行を開始した。
▲2輌あるキハ600形。
※現在は2002年に開通した2.2kmの芝山鉄道が実質的には日本一短い鉄道だが、京成電鉄の延伸線的な路線で全て京成線との直通運転となっているため、気分的には紀州鉄道が日本一の短い鉄道といえる。芝山鉄道は京成電鉄からのリース車だが独自の車輌も保有している。
◆有田鉄道◆
和歌山から南に15キロほどにある、藤並-金屋口間5.6kmを結ぶ鉄道。2003年に廃止された。
【路線図】
国鉄湯浅まで乗り入れ、木材や蜜柑を湯浅港へ運搬するための貨物主体の鉄道だったが、貨物輸送は1984年に廃止となり、旅客輸送も2003年に廃止された。
【車輌】
元富士急の気動車が1輌で往復していた。
▲現役時代のキハ58003。晩年はハイモ180形のレールバスにより運行されていた。
▲キハ58003とDD353機関車。
◆野上電気鉄道◆
和歌山から南に10キロに位置する日方(ひかた)-登山口を東西に結ぶ11.4kmの鉄道。野鉄(のてつ)と呼ばれ親しまれてきたが、経営悪化のため1994年に廃止された。沿線の野上町には広大にススキが生い茂る生石(おいし)高原や、重要文化財である野上八幡宮などがある。
【路線図】
起点の日方は国鉄海南駅付近に位置していた。
【車輌】
クリーム色+オレンジの小さな車輌が目立った。
▲元富山地方鉄道デ10形と元阪神モハ20形。
▲元阪神クハ100形。